きっと、うまくいく

最近、「3 Idiots」という映画を見た。日本語の題名は「きっと、うまくいく」。

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出典:Wikipedia

「3 Idiots」は、ボリウッド(ハリウッドのインド版)のコメディー映画で、インドで歴代興行収入1位を記録した大人気映画らしい。インド映画とか興味ねーって思ってたが見たら意外にもおもしろかったので、紹介したい。

 

インド映画は、途中で歌やダンスが入っていることで有名だ。この映画も例外ではなく、いたるところに歌がちりばめられている。アナ雪みたいに登場人物がいきなり歌いだすんだけど、どの歌、踊りもなんだか楽しく面白くて好きだった。

 

ヒンディー語版を英語字幕で見たが、結構英語もしゃべっていることに気づいた。なんかヒンディー語と英語をどちらも織り交ぜてしゃべっているようですごく変な感じがしたが、どうやらインドでは英語も普通に話されているらしい。グローバル化の影響なのかイギリスによる統治の名残なのかはわからないが、面白いことを知った。

 

それに、インド映画はみな長い。アメリカとか日本の映画は大体2時間くらいだが、インド映画は3時間が普通、ときには4時間も行くことがあるそうだ。「3 Idiots」は3時間弱で、すごく長く感じたが、飽きずに楽しめた。

 

長い映画といえば、この前「アベンジャーズ・エンドゲーム」も観たんだけど、それは3時間以上だった。アベンジャーズ最後だからファンサービスで長くしたのかな。まあ関係ない話。

 

「3 Idiots」の舞台はインドの超難関の工業大学、ICE(Imperial College of Engineering)(実在はしないらしい)。主人公はそこの生徒ランチョー、ファラン、ラジュの三人だ。まあ三人ともICEに受かったってことは超天才なんだけど、ファランとラジュは成績不振の落ちこぼれ。対してランチョーは、型破りな天才で、学ぶことを愛し、テストの点数がすべてである大学のやり方に異議を唱える。教授のペットとなってひたすら暗記に努めるガリ勉、チャトルとは対照的に描かれている。3人は意気投合し、いつも一緒に行動してふざけていた。

 

すごく面白くてふざけたコメディー映画なんだけど、深いメッセージがあり、感動的なシーンも多くあった。インドの教育システムに対しての風刺として作られたらしい。ICEでは猛勉強してエンジニアにならなければ成功できないという親や社会からの強いプレッシャーがあり、耐えられずに自殺してしまうものも多い。そんな中ランチョーはそれに真っ向から立ち向かい、テストの点数のために勉強するのではなく、学問を楽しむことが大切だと考える。生徒に良い成績を取ることだけを求める学長は悪役として描かれ、3人の過激ないたずらの被害にしばしば合う。

 

最後に学長がランチョーにペンを渡すシーンは本当に感動した。ランチョー達3人の行動に対し怒りの頂点に達した学長は、退学処分を言い渡すが、ランチョーが学長の孫の出産を天才的なひらめきで手助けをしたことをきっかけに、少し変わったというか、成長した。孫は医者かエンジニアになると生まれる前から勝手に決めつけていたのだが、孫が生まれると、何でも好きなものになれと伝える。そして静かに去ろうとするランチョーを引き留め、本当に素晴らしい生徒にあった時に渡すと決めていたペンをランチョーに涙ながらに渡す。


3時間笑いと涙に満ちたこの映画は、俺の一番のお気に入りの映画の一つだ。テストの点数や、年収よりも、夢とか友情とかもっと大切なことがあると教えてくれた。ランチョーは自分の中でロールモデル的な存在になった。これから受験、大学と勉強を続けていくわけだが、盲目に点数を求める機械にはならずに、学問の本質を見極め楽しんでいきたいものだなと思った。