ヨーヨーを始めた話

突然だが、俺はヨーヨーを始めた。受験生は勉強しろよ。

 

きっかけは、予備校でヨーヨー世界40位の男(以下I君)と出会ったことだ。最初は普通の面白い奴だと思っていたのだが、ヨーヨーを持っていることに気づきそれについて聞いてみると、いきなり神技を披露してくれた。彼の素晴らしい技の数々を目の当たりにし、俺も彼に教わって基本的な技を習得するにつれ、本格的にヨーヨーを始めてみたいと思うようになった。I君がスポンサーからもらった(!)ヨーヨーを分けてもらい、それで練習を始めた。

 

ヨーヨーには中毒性がある。今は少し抑えているのだが、始めたばかりの時は、勉強せずずっとヨーヨーをやっていた。ちょっと10分くらい新しい技の練習をしようかなと思って勉強をやめると、楽しくなって気づいたら1時間が経っている。もう遅いので仕方なく勉強せずに寝てしまう、という日が何日か続いた。まだ始めたばかりだから、新しい技を身に着けて自分が成長していくのが速くて、どんどんヨーヨーの世界に吸い込まれてしまう。それに、単にヨーヨーをすることだけでも気持ちがいい。ヨーヨーが回るシュルルという音、ひもを通して指に伝わる振動、戻ってきて手のひらに収まるときの感覚、それだけで楽しい。一昔前にはやったフィジェットスピナーを彷彿とさせる。あれは回しているだけで楽しかった。

 

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世界40位のヨーヨー

 

彼にもらったヨーヨーは上級者向けの戻ってこないヨーヨーだ。本来初心者は戻ってくるヨーヨーから始めて経験を積むべきらしいのだが、何せI君が持っているヨーヨーはすべて上級者向けなので、それから始めることにした。まず覚えたのは、戻ってこないヨーヨーを戻すバインドという技。ひもをうまくヨーヨーに巻き付けると、勢いよく戻ってくる。あとは横向きにヨーヨーを投げてバインドをしたり、バインドをちょっとカッコよくやってみたり、ブランコやタワーという基本的な技(これらはもはやあやとり)を覚えたり。もうそれだけで十分楽しいが、I君のようにヨーヨーを自由自在に操っていろいろな技をしてみたいから、もっと技を覚えて上達したい。彼は今のレベルに到達するのに8年かかったそうだから、忍耐強く続けていきたい。いや忍耐強く勉強しろよ。

 

今はヨーヨーを肌身離さず持ち歩き、暇さえあればヨーヨーをしている。うざいと思わないでください。暇があったら化学式の一つでも覚えろよ。まあ受験生という身だから、勉強に支障が出ない程度に楽しみたい。もっと上達したら、動画でも載せてみようかな。