東大は俺のパラダイス

先週末に、東京大学で駒場祭が3日間にわたって行われた。俺は友達と2日目と3日目に行った。

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Wikipedia

東大の学祭に行くのはこれが初めてで、まずはその規模に驚いた。ものすごい数の人がいて、道が人で埋め尽くされている。非常に活気づいていた。そして、キャンパスの広さにも驚いた。以前上智大学の学祭に行ったときは、上智はキャンパスが小さめなので少し歩くとすぐキャンパスの向こう側についてしまったのだが、東大では歩いても歩いても人の流れが途切れない。出店やイベントの数もかなり多く、決して飽きることはなかった。

そして東大の学祭が上智の学祭と最も違ったことは、学術系の展示やイベントが多かったことだ!さすが東大というところである。日本最高の頭脳集団である東大では、学祭でも勉強する!

2日目に行ったときの第一の目的は、松尾豊准教授のAIについての講演を見に行くことだった。松尾氏は東大で教鞭をとっており、日本のAI界では知らない者はいないという超有名人である。俺も彼の著書を読んだことがあるし、彼の研究室にも興味があっていろいろ調べたこともある。そんな大先生のご尊顔が拝めるチャンスなどそうそうないので、これは絶対逃すまいと思って見に行った。

広い講義室だったが、席はすべて埋まり、部屋の後ろで立ってみる人も出るほどの大人気だった。彼の講演の内容はこの記事の趣旨から外れるので控えるが、とても勉強になり、俺も大学でAIを勉強したいというモチベーションが高まった。これだけでも、駒場祭に来る価値はあった。ありがとう。

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日本のAIの権威、松尾豊

松尾 豊

2日目はあまり長くいることができず、少し出店などを見回ってから講演を聞いて帰るという感じだったが、とても楽しかったので、3日目も絶対に来たいと思った。東大生は勉強ばかりしているというステレオタイプがあったから、東大の学祭ってちょっとつまんなそーって正直なところ思っていたのだが、全然そんなことはなく、イメージを完全に裏切られた。東大生はみんな楽しそうだったし、何人かと話したがみな面白い人ばかりで、東大生って頭はいいけど普通に面白い人たちなんだ!って感じた。とても東大に入りたくなった(語彙力)。

3日目は午前から行った。門を入ったところで、テニスの王子様のミュージカルのリメイクをやっていた。俺は元ネタがわからないのだが、めちゃくちゃ面白かった。すごい練習したんだろうな~と感じ、本気度が伝わってきた。楽しそうだった。

3日目は特に目的もなく、いろいろ見まわった感じだったが、やりたいことが一つあった。某YouTuberが、何年か前の駒場祭で、「〇〇をルート4個ください」みたいなめんどくさい注文の仕方をするという企画をしたのを知っている人は多いだろう。俺もそれをやってみようと思い、お好み焼きの店で「これを-e^iπ個ください」と聞いてみたら、「えーーっと…(沈黙)…整数で言ったら何個ですか?」と返され、「あれおかしいな、文系だったのかな?」(べつに文系をバカにしているわけではない)と思い、理2のクラスがやっている店で「チョコバナナを-e^iπ個ください」と同じ質問をしたら、「おお!オイラーの式ね、1個ですね~」と一瞬で分かってくれた。すばらしい!

あと3日目で一番楽しかったのは、数学科の部屋だった。俺は数学科志望なわけではないのだが、数学が好きなので数学科の部屋に行ってみたら、100ます計算のプリントがたくさん置いてあった。それもただの100ます計算だけではない。「100ます積分」、「100ますグラフ理論」、「100ますホモトピー群」などの非常に変態なプリントが多くあった。俺は友達と100ます積分に挑戦したが、あまりにもめんどくさいので20ますくらい埋めてギブアップした。いやあ、あれは変態だよ。「中には不定積分が存在しないものも含まれてますからね~」とかと言われ、じゃあなんで入れたんだよと思ったが、それはそれで面白い。一問めちゃくちゃ難しい積分を、数学科の学生さんに教えてもらいながら解いた。これに30分くらい費やして脳パワーを使い果たしたころ、ある学生さんが黒板にグラフ理論の記号を書き始め、友達と「あれ何書いてんだろ、あ、あれならちょっと分かるわー」と話していたら、「君、グラフ理論分かんの?じゃあこの100ます計算やってみてね☆」とよくわからない記号が並んだプリントを用語の説明書と一緒に渡された。何とか解読して10ますほど埋めたら、俺の名前がハイスコアとして黒板に乗ることになった。なぜかって?俺しかその100ます計算をやらなかったからだよ。

しばらくすると模擬講義が始まった。題は「πが無理数であることの証明」。誰が聞くんだと思うでしょう?これがね、なかなか面白いんですよ。その教室にいた人々は興味津々で聞いていた。すると教室の外で、スピーカーを持って東大をめちゃくちゃディスっている人が現れた。多分東大に30浪くらいしている人なのだろうが、「皆さんね、東大に入っても頭何かよくなりませんからね、東大なんてカスですからね、ちょっとそこのあなた何写真撮ってんですか、営業妨害ですよ」という調子でまくし立てている人がいた。それを聞いて、模擬講義をしていた学生さんが、「何を言われてもね…、数学は不変ですからね…」とつぶやいた。普通の人からしたらめちゃくちゃつまらないジョークなのかもしれないが、その瞬間部屋中が沸き立ち、拍手喝采が起こった。こういうノリ好きだ。めちゃくちゃ楽しい。

こんな感じで、数学の部屋がもしかしたら一番楽しかったところかもしれない。人が好きだった。その部屋だけ外界から隔離されており、数学を愛する者だけが入ることを許されるという雰囲気だった。最高だ。これこそが俺の求めるパラダイスである。これもまた東大行きたいなーって思う瞬間だった。

あとは適当に見回って、東大を存分に楽しんだ。ダンスとかラップとかボディビルディングをしている人たちがいた。研究成果を発表している人もいた。東大に対するイメージがこの2日間でがらりと変わった。夏に行ったオープンキャンパスは見るものもあまり多くなく少しつまらなかったのだが、駒場祭で東大生の素顔に触れることができ、俺にぴったりな場所だと思った。俺にとってはパラダイスのような場所である。東大に行きたくなった。受験勉強に対するモチベーションが10倍くらい上がった。

これから勉強頑張って東大合格を目指します。来年はぜひ駒場祭にお越しください。